9月に発行された広報よこはま特別号「放射線特集」が、新聞折り込みを通じて配布されています。
その巻頭で「特別号発行にあたって」として林市長のメッセージが載っていますので紹介します。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、市民の皆様は、本当に心配されたことと思います。横浜市としても、これまで市民の皆様の日々の暮らしの安全、安心確保に向けたできる限りの対策を行っております。
そして、この度、放射線特集を皆様にお届けすることにいたしました。
本特集では、放射線の基礎知識を専門家のお二人にご解説いただきました。正しい知識を身につけることにお役立てください。
また、横浜の空気、水、食品などの放射線量がどうなっているか、それらをどのように測っているのかを、詳しくお伝えし、相談窓口をご案内しています。日々の生活の安全が確保されていることをご確認いただきたいと思います。
という内容です。このお二人の専門家の意見は、「現在公表されている横浜市の空間放射線量などの測定結果を見ると、放射線の問題を過度に心配する必要はないと考えます」とか「牛肉以外に規制値を超えた放射性セシウムで汚染された食品が出回っていない状況では、基準を10倍超えた牛肉を62・5キログラム以上食べると、5mSになります。それでもがんになるリスクはほとんど増えません」と言い切っていることです。
福島第一原発の事故で、飛びかった放射線の量はいったいどのくらいだったのか、いまだに正確な数字が公表されていない事実があり、横浜の子どもたちが学校給食を通じて汚染された牛肉を食べてしまったいうことも起きています。
外部被ばくや内部被ばくによる影響が出るのはすぐではないだけに「心配ない」とか「がんになるリスクは増えない」などと専門家が言い切っていいのでしょうか。
国会の参考人で呼ばれた専門家の中には「子どもたちのために、ただちに除染が必要だ!」と発言した方もいました。
市長がどういう意図でこの「広報よこはま特集号」を発行したのかわかりません。科学的に証明されていない放射線による影響について「正しい知識を身に付けることにお役立てください」とか「日々の生活の安全が確保されていることをご確認いただきたい」とか言い切ること事態が信頼できないというのが、不安をもっている市民の気持ちではいでしょうか。
安心だと言い切る前に、汚染された牛肉を食べてしまった子どもたちの健康調査や、小さな子どもたちが遊ぶ公園などの放射線量の測定など、もっと調査対象を広げ、私たちの不安を解消するために積極的になるべきだと思います。